グレイス
【基本事項】
・名 称:グレイス(Grace)
・性 別:女性体
・種 族:人工生命体―ホムンクルス―
・職 業:無職
・信仰神:無信仰
・外見年齢:10代前半程度
【性格等】
・淡々、無知、穏やか
・人の名前は喋れるが、ある一語を除いて喋る事が出来ないという欠陥を持つ
【身体的特徴】
・身長130cm
・体重は普通の子供より軽い程度
・人体をベースに創られたボディ
内部構造は人とは違い、また人に有らざる機能を付与されている
見た目はほそっこい幼女
痛覚は人と同じようにある――魔術師があえて与えたもののひとつでもある
・心臓の上に魔法円を持ち、鼓動に合わせ常に滅減している
・色白
・ばら色の頬に唇
・赤い瞳
・地面まで届く白絹の長髪
【魔術師の遺した秘密の魔法】
多くの宝物が、人知れぬ場所に秘められているように、
宝物を開く鍵もまた、人目に触れぬ秘密の場所に隠されているものである
ひとつはその命について
ひとつはその身の成長について
ひとつは……
【その他の特徴・備考】
・若い魔術師が残したホムンクルス
魔術師が死んでからは、街で仕事をして暮らしているが
賃金もまともに貰えたためしはなく、長続きもしない
多くの場合は、気味悪がられて、捨てられる
* * * *
それは、若い魔術師が創ったホムンクルスだった
魔術師として彼の再起をかけた研究の成果であったが、
ホムンクルスは言語機能に致命的な欠陥を持っていた
その為ギルドに認められず、魔術師は零落を余儀なくされ、ホムンクルスも廃棄となる筈だった
だが魔術師は、若くして死の口付けを受けるまで、出来損ないのホムンクルスを愛した
* * * *
若い魔術師は、魔術に愛を籠めようとしていた
だから彼は、ホムンクルスに自分の愛するものの全てを与えた
葉の上できらめく朝露の一滴を右の涙とした
激しく打ちつける嵐の雨の一滴を左の涙とした
道端に咲く名も無い小さな花を両の爪とした
命と同じ長さを働き続ける醜い老婆が紡いだ蚕の糸を髪とした
庭に咲いたバラの色を頬と唇に染めた
春の雪解け水と自分の血潮を混ぜて流血とした
他にもたくさん、たくさん、若い魔術師は愛するものを詰め込んだ
それから、最後に自分の吐息をそっと吹き込んで、ホムンクルスに命を宿した
けれど、そのホムンクルスは言葉が喋れなかった
いいや、喋れる言葉は、たったひとつだけだった
彼女が初めて瞳を開けた瞬間に、魔術師が口にしたそのたった一言しか
喋ることのできない命だった
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